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◆ 七夕 ◆


※お戻りは左のメニューの「その他」から・・・

さてさて、相変らず懲りずについつい妄想(ってほどではないけれど)話をあげてしまうま・・・(汗)

というわけで、もうすぐ七夕だな〜、この時期、やっぱり賢ちゃんはカイザーだし、デジワーにこもりっきりになってたわけだし・・・ いったい今ごろ、いとしの彼は何をしているのかしら?(うふ) −−あほか(汗)>自分−− てなことを考えていたら、頭の中にこんなワンシーン(というのか?)が思い浮かびましたので、文字にしてみようと努力してみました・・・ が、頭の中のロジックを言葉にするなり映像にするなりって、これほどむずかしかったのか!? ってくらい、頭の中のイメージとは程遠い出来事になってしまった気がしないでもないような・・・(汗)

ちなみに、正直いって、かなり暗いです。 どーんとしてます。 でも、これでも、カイザー時代なりのムシ賢ラブラブを目指してみたのですが・・・ まぁ、そんなものなのですが、よかったら、2002年7月頭くらいを意識しながら読んで見てくださるとありがたいです。

あ、ひとつだけ注意というかなんというか・・・ 02・23話を見てない人には、さっぱり訳わかめだと思います。 読んで下さってももちろんありがたいしかまわないのですが、出来るだけ、02・23話までは見終えてから読んでくださることをお奨めいたします。 では、後程後記で会いましょう。


 

「今度の日曜日って、七夕なのよね〜」
「ああ、そうでしたっけ? 今年こそ晴れるといいですね」
「ダイシケェ、『たなばた』って何?」
「『たなばた』ってのはな、たまには部屋を片付けようかと思って掃除をしてると、棚から牡丹餅を見つけてラッキ〜♪っていうことだぜ」
「あの・・・大輔さん、それ、『たなばた』じゃなくて『棚ぼた』ですよ?」
「ええ?そうだっけ?(汗)」
「七夕っていうのはね、織姫と彦星ってう恋人達が、年に一度だけ天の川を超えて会うことができる日なの。 一年に一度しか会えない恋って大変だけど、なんだかロマンチックよねぇ。」
「七夕といえば、笹の葉にお願い事を書いた短冊を結びつけておくと、お願い事がかなうっていわれてるわ。」
「ほんと? ねぇ、ダイシケェ、オレたちも短冊書こうよ〜。 オレ、『チョコレートがいっぱい食べられますように』って書くんだ〜っ♪」
「ブイモンってば、チョコ食いすぎなんだよ〜(汗)」
「あはは」
「そ、そんな笑うことないじゃんか〜」

デジモンカイザーこと一乗寺賢に言われて、選ばれし子供たちの偵察に来ていたワームモンは、彼らに気づかれないようにこっそり木陰から、今の会話を聞いていた。

“タナバタ? オリヒメ? ヒコボシ? ササノハにタンザク?”

聞きなれない言葉ばかりだったけれども、それでもワームモンにも、今度の日曜日が少し特別な日だということは理解できたようだった。

=====

「ねぇ、賢ちゃん・・・?」
「その名前では呼ぶなと言ってあるだろ?カイザー様と呼べ! ・・・で、どうだった、あいつらの様子は?」
「ゴーレモンたちに頼んでカモフラージュさせておいたダークタワーが見つからずに、今日は取り立てて何もせずにあっちの世界に帰っていったよ。 それより、賢ちゃ・・・カイザー様、今度の日曜日って、タナバタなんだって? タナバタって、大事な人と、一年に一度だけ会える日なんだって。 オリヒメとヒコボシは、一年に一度しか会えないんだって・・・ でも、僕たちはこうして毎日会えて、すっごく幸せなんだよね? ねぇ、賢ちゃんだったら、誰と会いたい? タンザクにお願い事書いてササノハに結わいておくと、お願いごと、かなうんだって・・・ あれ??  賢ちゃん? どうしたの?」

普段はサングラスのせいで表情をほとんど外に見せないカイザーだが、このときばかりは、ワームモンでも、グラス越しに、いや、グラスの外まで、賢の表情が瞬時に険しくなるのを見て取ることが出来た。

「何でもないっ! ついてくるなっ!」
それだけいうと、賢は、ものすごい勢いで部屋を出て、要塞内の通路の奥へと消えてしまった。 ワームモンは途中まで必至になって賢を追いかけたが、今までとは違って、まったく追いつくことが出来ずに、部屋から50メートルほど進んだところで追いかけるのを断念せざるを得なかった。

“僕、何か気に障ることいっちゃったかなぁ・・・ ただ、昔のように、賢ちゃんと二人で楽しくすごせるといいなぁって思っただけなのに・・・ それっていけないことなの、賢ちゃん? ・・・そうだ、タンザクにお願い事書いてササノハに結わけば、僕のお願いごともかなうのかな? でも、ササノハって何だろう? タンザクって??”

=====

そのころ、賢は通路の先の行き止まりで立ち止まって、肩で息をしていた。

“ぼ、僕は・・・ どうして、突然走り出したのだろう? それよりも、あの時一瞬感じたあの感情は何だったのだろう? 怒り? それとも憎しみ? いや、違う・・・ あれはいったい・・・ ”

自分でも状況がわからず戸惑っている賢の目の前に、ぼんやりと映像が浮かんでくる。 どこか、子供部屋らしい場所に、二人の兄弟らしき男の子がいる。 一人は自分と同じくらいの背格好で、もう一人はそれより2、3才年下のようだ。

“あれは・・・ 誰だろう? なんだか、僕は彼らのことをよく知っているような気がするのだが・・・ ”

いつもなら、すべてのことが一瞬で見とおせるはずなのに、このときに限って賢の頭の中は濃い霧がかかったかのように、何もかもがおぼろげだった。 映像は、目の前というよりもむしろ、この霧のなかから浮かんできているようだ・・・。


・・・。
「お兄ちゃん、すごいや! 僕のおもちゃ、元に戻った!」
「そんなことないよ。」
「そんなことなくないよ! お兄ちゃんって、ほんとに何でもできるんだねぇ」

弟の方はしきりと兄を感嘆している。それに対して、兄の方は、ちょっとはにかみながらも「すごい」といわれたことに対して嫌な気分ではなさそうだ。

「うんうん。お兄ちゃんは、僕の自慢なんだモン! 僕は何もできないけど、お兄ちゃんがいてくれることが僕の自慢なんだモン!」
「それは言いすぎだよ・・・ おまえにしかないもんだって、ちゃんとあるじゃないか。」
「そんなもの、あるの?」
「あるさ、おまえはシャボン玉膨らますのが得意じゃないか。 やさしく、そっと息をふくからな。 僕はダメだ。 ああいう繊細なこと、苦手なんだよ」

“どこかで見た景色だ・・・ なんだか、僕はこの二人のことをよく知っている気がする・・・ でも、どこで? あいつら、誰なんだ?”

そこに突然、机の上のパソコンのモニターから得体の知れない小さな機械が飛び出してくる。 先にその機械に手を出したのは兄の方だった。 兄は、それがなんだか見当がついていたようだったが、手にとっても、振ってみても、その機械は何の反応も示さない。 弟のほうも、その機械に興味を持って手を出そうとするが、兄の無言の静止で、出しかけた手を引っ込める。

「これは・・・ 僕のものだ。 いいか、勝手に触るんじゃないぞ。」
「う、うん・・・」

先ほどまでの和やかな景色から、一転して無言の緊張感がその場を包む。・・・と、ここで場面が一転する。 場所は同じ子供部屋だが、今度は弟の方しか部屋にいなかった。 弟は兄に見つかるんじゃないかという不安感と、それ以上の好奇心から、机の引出しをそっとあけ、例のあの機械に恐る恐る手を伸ばす・・・ 手が機械に触れる・・・

とたん、あたり全体がまばゆい光に包まれる。

“なんだ!? 何が起こったんだ? でもまてよ、僕は・・・ 僕はこのことをよく知っているような気がする・・・ 白い光の向こうの出来事を知っている気がする・・・ でも、わからない・・・ それが何だったのか、わからない”

ようやく光が和らぐと、そこには、兄が戻ってきていた。 兄は一瞬で状況を把握したらしく、怒りに震えて、弟が手にしていた機械を叩き落とす。

「それは僕のものだ! 触るなといっただろ!?」
「ごめんなさい・・・」
「うるさい、勉強の邪魔だ、出て行け!」
「ごめんなさい・・・」
「いいから出て行けといっているだろ!」
「ごめんなさい・・・」

弟は、すごすごと子供部屋から引き上げると、居間のソファーにうずもれて泣いている。

「僕はダメなやつなんだ。 お兄ちゃんの邪魔ばかりして・・・ お兄ちゃんは何でも知ってる、何でも出来る、僕の唯一の自慢・・・ それなのに、そのお兄ちゃんに嫌われちゃった・・・ お兄ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい・・・ 」

弟は、兄があの後そっと部屋を抜け出し、こっそりと居間の入り口から様子をうかがっていることには気づかず泣きつづけている。

“なぜ、あの兄の方は、突然怒り出したのだろう? 彼はあの時白い光の中で弟に何が起きていたのか知っていたというのか? それに、『邪魔だ』といって追い出しておきながら、弟が居間にいるのをなぜわざわざ確かめに行ったのだろう?”


再び賢の意識の霧の中に、子供部屋の景色が浮かんで来る。 何が起きたのかはわからないが、今度もまた兄が弟に対して何か叫んでいる。

「おまえなんて何にも出来ないくせして僕にまとわりついてばかりいる。 勉強の邪魔なんだよ、出て行け!」
「ご、ごめんな・・・」
「いいから出て行け!」
「ごめんなさいっ」

“何があったのだろうか? よくわからないが、僕にもあの弟の方に似たやつがいた気がする・・・ いつもいつも僕にまとわりついて、僕の邪魔ばかりするやつ・・・ 誰だったっけ?”

弟は、兄に言われてすごすごと部屋を出る。 だが、前のようにこっそりと居間で泣いている弟の姿を確認しようとした兄は、居間に誰もいないことに気がついてハッとする。 慌てて玄関を見ると、靴が一足消えている。

「あいつ、ほんとにどこかに行きやがって! どんなことをしても、絶対僕についてくると思っていたのに・・・ まさか、ほんとに僕の言った通りに家を出てしまったのだろうか? あいつまだ小さいから、泣きながら道路を渡って事故にでもあったらどうしよう?」

兄は慌てて家を飛び出すと、弟が向かいそうな先に向かって走っていく。


“そうだ、緑のあの・・・ あいつ、どんなに僕が鞭をふるっても、どんなに僕がひどいことを言っても、絶対に僕の後について来ていた・・・。 なのに、今日に限って僕の後を追ってこなかった・・・”


「・・・ちがう、弟が事故にあったらなんて、ただの口実だ。 ほんとは、僕から弟が離れてしまうのがこわいんだ・・・ あいつが何も持ってなくて、僕にすべてがあるなんてうそだ。 あいつのほうが人を惹きつける何かを持っている。 でも、あいつにみんなの視線が行くのが悔しくて、それで僕は必死になって『いい子』を演じた。 バカな大人達は、僕の中の『いい子』にしか見えてないから、僕のその部分だけを見てちやほやする。 でも、あいつは違う・・・。 あいつは・・・ あいつだけは、純粋に『僕』だけを見て慕ってきてくれていた。 あいつにはパソコンのプログラミングや数学の話をしても、僕がどれだけすごいのかなんてわからないからな。 大人に誉められてもちっともうれしくなかったけれど、おもちゃを直してやってあいつに感心されると正直に照れた・・・。 あいつがいることで僕自身が存在していたんだ・・・。 だから、時々、無性にあいつにあたってみたくなる。 怒って、怒って、それでも僕についてきてくれている姿を見たくなるんだ。 あの時も、僕にはわかっていた。 あの機械はあいつのものだって・・・ 僕ではなく、あいつが選ばれたんだって・・・ でも、『なんでも持っているはずの兄』は、負けを認めるわけには行かないんだ・・・ だから、あの時僕は「嫉妬」と「己の存在確認」のためだけにあいつに怒鳴りつけた・・・ だって、それでも戻ってきてくれると思ってたから。 お願い、**、戻ってきて!」

“・・・こ、これは・・・ あの兄の言葉なのか? それとも、僕の意識なのか? ヘンだな。 頭の中の霧が晴れなくて、あの兄の声が僕の頭の中で鳴り響いている・・・ あの兄はいったい何者なんだ? よくわからないが、あの気持ちは、僕の気持ちでもある・・・ あの人の言うことは、よくわかる気がする。 そうだ、ワームモン、あいつ、どこに行ったんだ!? あいつは・・・ あいつだけは、どんなときにも僕の脇に常にいたのに・・・ そばにいるときはただのお節介野郎だと思っていたのに、いざこうしていなくなると、言いようのない不安感にかられるのはなぜだ? ワームモン、おまえ、どこにいるんだ?”


そのころ、弟の方は近くの公園のブランコにのっていた。

「お兄ちゃん、ずるいよ・・・ 何でも持ってて、何でも知ってるのに・・・ 僕にもちょっとくらい“何か”があってもいいのに・・・ お兄ちゃんばっかり出来るから、母さんも父さんも、お兄ちゃんばっかり大事なんだ・・・ そんなのずるいよ。 ・・・そうか、お兄ちゃんがいるから、みんな、お兄ちゃんの方ばかり見ているんだ・・・。 だったら、お兄ちゃんがいなくなってしまえば・・・ お兄ちゃんがいなくなって、僕が天才になれれば、みんな僕のほうを向いてくれるのかな? そうだ、お兄ちゃんなんていなくなってしま・・・ あ、お兄ちゃん!?」

「**! おまえ、そこにいたのか! もうこんな時間だぞ? 夕方なのに外にいたら危ないじゃないか! さぁ、家に帰るぞ」

兄は横断歩道を急いでこちらに向かって走りよってくる。その時、どこからともなく一台の車が同じ横断歩道の方へと向かってくる。

“や、やめてくれっ、後生だから、僕の頭の中から、映像よ、消えてくれ。 もう見ていたくない。 僕は、この結末を知っている… そんな気がする・・・ そして、それを知りたくないことも知っている・・・ お願いだっ”

しかし、賢の意思に反して、頭の中の映像は鮮明さを増しながら、ますます賢の意識と同調してゆく。

「あ、あぶなっ」
「!?」

めったに事故も起こらない住宅街の閑静な道路に、一人の子供がうつむけになって倒れている。 

「お、お兄ちゃん!?」
「**、ごめんな、意地悪言って・・・」


「もう、やめてくれーっ!!」かろうじてのどから搾り出すように賢が声をあげたところで、ようやく頭の中の映像は消えていった。 しかし、得体の知れない嫌悪感が彼を包んではなさない。

“やめてくれ・・・ 謝らないでくれ・・・ 悪いのは僕だ。 僕があの時「いなくなってしまえ」と思ったから・・・ 僕のほうこそ、大好きだった兄さんに・・・ たった一人僕の存在を認めてくれた兄さんに謝らなければならないんだ・・・ たった一瞬でも、そんな兄さんを恨んだことを・・・ 謝れることなら、今すぐに謝りたい。 でも、どうやったら死んだ人に会えるというのだ!? どうやったらそんな願いがかなうというのか!? ありえない・・・ そんなこと、絶対に不可能だ・・・ だから、こうして、その存在自体を記憶から消し去るために・・・ 現実に別れを告げるために、僕はこうしてここにいるのに・・・”

賢は、あふれ出る涙をとめようともせずに、その場に力なくうずくまる。

“そうだ、ワームモン。 あいつは・・・ あいつは僕だったのか? だとしたら・・・ だとしたら、あいつを失ってしまったら、僕は・・・ 僕の存在理由は・・・”

「ワームモン? おい、ワームモン、どこにいる?」

フラフラと立ち上がり、ワームモンを探してもと来た道へと引き返して行く。 先ほどいた司令室を覗いてみたが、ワームモンの姿は見当たらない。 不安な気持ちが広がっていくのを無理に押さえつつ、いつものカイザーとしてのプライドを捨て、部屋という部屋を探し回る。

“やっぱり、僕は見限られたのか・・・ 所詮、僕は、この世界でも一人きりなんだな・・・ ”

疲れ果て、虚無感を胸に抱えて、賢は、消しきれなかった過去の記憶を消し去り、その虚無感から解放されるために、コントロールルームにやってきた。

“簡単なことだ。 どうせ、僕は誰の中にも存在しない。 それなら、今度こそ僕は僕を捨て去って、真のデジモンカイザーになるまでだ・・・ 痛みしか残らない記憶を引きずってまでして、とどめておくべき価値のある僕ではない・・・ さよなら、僕・・・ !?”

コンピューターを操作しかけて、ふと操作レバーに何か布切れが結わきつけられているのに気づく。

「ん? これは、なんだ?」

結わいてあった布切れを解くと、そこにはたどたどしいデジ文字が書かれていた。

「あ、あいつ? ワームモンか? そういえば、笹の葉に短冊を結わいてどうのこうの・・・などといっていたな? これが笹の葉と短冊のつもりなのか?」

まだ文字を覚えたてのデジモンが書いたらしく、大半が文字としての機能を果たしていなかったが、それでも賢には次の文字だけはしっかりと読み取ることができた:「・・・ケンちゃんと・・・いつまでも・・・・・・いいな。  ワームモン」

「リセットするのは、もう少し延ばしてみるか・・・。 ワームモン、おい、ワームモン、どこにいるんだ? 僕が呼んでるのが聞こえないのか?」

いつもと違って少し弾んだ賢の声が、要塞内をこだましていく。

<終>


■あとがき
なによりもまず、こんな稚拙な文章に最後まで目を通してくださって、ほんとに、ほんとに心からありがとうございます。 基本的に、自分、文章書きではないし、自分の02補完計画のために考えたことを、せっかくだからHPにアップしてしまう・・・くらいのレベルで書いてしまっているので、ほんとに読みづらかったかと思います。 至らないのはすべて自分のせいでございます。 こんな未熟なものをサイトに堂々と上げるな!というお叱りなどは、ぜひ遊歩宛にメールでも、何でもご連絡下さいませ・・・・。

と、とりあえずこの話はここまで。 一応解説しとかないと、かなりわかりづらかったのではないか?と思いますので、この補完話を思いついた背景を、さっと説明いたしたいと思います。

まず、大前提として、私遊歩の02に対する解釈では、カイザーは、ちび賢から見た治のイメージと賢の中の負のイメージが融合して出来た存在だと思っています。  賢は、治がうらやましくて仕方なかった。 だって、頭がよくて何でもできて、みんなから賞賛されて、みんなから注目を浴びて・・・ そんな兄が、自慢であると同時に、その兄のせいで自分の居場所がない・・・ だから、お兄ちゃんなんていなくなってしまえばいいんだ!と、ふと思ってしまった。 でも、いざ兄が死んで、兄の居場所が空いても、相変らず誰も賢のことは見てくれない。 仕方ないから、自分もみんなの注目を浴びるために、「いい子」になっていき、そこで兄の気持ちがはじめてわかった気がする、すなわち、「みんなが見ていたのは、“天才の治”ではなくて“治の天才”だった」ということを。 なので、カイザーというのは、治と賢の両方の立場を同時に含んで成り立っている存在なのだ・・・というのが、私の、カイザーに対する見方です。 でもって、ワームモンは、あの「Face to Face」でも歌われていたとおり、治に対するちび賢そのものだった。 何も出来ない、かっこ悪い、最低の存在だと。 だから、カイザー当時の賢は、ワームモンが嫌いだったのではなく、ワームモンの向こうにかぶって見える、幼い、何も出来ない、何もない自分が嫌で嫌でたまらなかった・・・。 だから、必要以上にワームモンに対してつらく当たっていたにもかかわらず、最後まで、自分のそばにおいていたのかなぁ・・・と。

とまぁ、そんなイメージを持っていたりしますので、今回の話のなかのカイザーは、あの中の兄であり同時に弟でもあり、また、その弟はワームモンでもあった・・・ というのがほんのりと伝わってくれば、大成功・・・というわけでして・・・ あ、やっぱ、そうは読みづらかったですかね?^^;

なお、「ん?なんか、コレによく似た話を読んだことあるぞ?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。 っていうか、「ん?なんか、こいつ、人のネタパクってないか?」と思われた方がいらっしゃるかもしれないと言ったほうが正しいかもしれません。 正直に言いますと、故意にパクったつもりはいっさいありませんが、以前、賢話をネットでむさぼっていたころ、偶然見つけて、あまりに自分の思っていた治賢像とかぶりまくっていたので、びっくりしたというか、やられたというか、このネタじゃ、今から補完話考えても、どのみちこの話とかぶっちゃうじゃないか?というか・・・ とにかく、そのくらい、私の心の中にどーんとウエイトを占めているお話がありまして・・・ しかも、こちらは漠然とそんな状況を思い描いていただけのところに、あれだけのきちんとした文章の形で提示されていたので、自分の頭をいくらリセットしても、しきれなかった・・・というのが正直な真相だったりします。

というわけで、治賢の描写は、「夢から醒めた夢を見た」様の「シャボン玉、消えた・・・」に、何一つひねりを加えることができなかったどころか、さらにダメダメな文章にさせてしまったことをお詫びいたします。 ってか、まだお読みになっていらっしゃらない、治賢すれ違い愛がお好きな方は、ぜひそちらをお読みくださいませ。 ただ、一応、「七夕」にちなんで描きたかったのは、治賢そのものというよりかは、ムシ賢ラブのほうですので、それは、私なりのオリジナルになっているんじゃないのかなぁ?と・・・(いいわけ、いいわけ) とにかく、いろいろ、ごめんなさいです。

こんなんで、次はあるのだろうか?

2002.7.29作

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